超キケン!スマートデイズ事件に見る不動産投資のリスク

様々な投資に手を出してきた私ですが、
不動産投資には手を出しませんでした。

なぜなら、やりたくても
不動産投資に必要なくらいの
まとまった資金が無かったから。

結果的に不動産投資は諦めてよかった
と思える事件が世間を騒がせました。

それが、スマートデイズ社が起こした
俗に言う「かぼちゃの馬車事件」

スマートデイズ社とスルガ銀行に
投資者がカモにされた
不動産投資の闇が明らかになった事件です。

今回はこのかぼちゃの馬車事件を通じて、
不動産投資そのもののリスクについて解説していきます。

不動産投資とは?仕組みとメリット

まずは軽く不動産投資そのものの仕組みや、
他の投資方法と比較したメリットなどを解説していきましょう。

不動産投資とは文字通り不動産への投資です。

不動産投資で利益が発生する場面は大きく分けて2つ。

1つは他の投資方法と同じ様に
購入した不動産や土地の価格が購入時よりも
高くなった時に売ることで得られる売却差益、

もう1つは不動産を賃貸化することで得られる
家賃収入による収益です。

他の投資と比較したメリットとしては、
長期的に安定した収入を得ると言われています。

しかし…事件は起きたのです。

 

かぼちゃの馬車事件とは何か?

では本題であるかぼちゃの馬車事件について触れていきましょう。

この騒動の主要登場人物が、
「スルガ銀行」と「株式会社スマートデイズ」です。

このスルガ銀行は地方銀行の1つであり、
近年では珍しい一族経営体系が続いている銀行です。

そのスルガ銀行の支店であるスルガ銀行横浜東口店が
今回の事件を引き起こしてしまいます。

このスルガ銀行横浜東口店は過去には何度も表彰されている経験があるなど、
銀行としては十分優秀だったと言える支店でした。

株式会社スマートデイズは
「かぼちゃの馬車」というシェアハウスの販売・運営を行っている会社です。

コンセプトとしては、
シンデレラのかぼちゃの馬車の名を冠しているだけあって
女性向けの格安シェアハウスというのがこれまでの方針でした。

かぼちゃの馬車は、あの不倫騒動から復帰したばかりのベッキーを
テレビCMに起用したことで一時期有名になりました。

今回の事件を簡単に言ってしまえば
「スルガ銀行の融資を使ってスマートデイズが売り込んだ不動産で投資家が大損した」
という内容になります。

なぜ大損したのか?
これはスマートデイズのシェアハウスプランを見れば一目瞭然です。

このスマートデイズが提供しているかぼちゃの馬車は、
広さ約4.2畳でトイレ・お風呂・キッチンが共同で
光熱費込みの家賃8万7千円程度のシェアハウスです。

都内ということもあってこの家賃は破格とも言えるでしょう。

このかぼちゃの馬車をサブリース、つまり運営を
一任する形で更にスルガ銀行の100%融資をつけて
高額所得のサラリーマンや土木業者にシェアハウスを売り込む、
というのがスマートデイズの新しいプランでした。

 

ここで問題となったのがスマートデイズという会社の状態です。
この会社はわずか5年で売上300億円に達したという実績を持っています。

しかし売上がそのまま会社の資金になるのかと言えば
そうではないというのは常識ですよね。

売上はサービスの維持、つまり経営に使う分も計算して算出されます。
それを「経常利益」と言います。

スマートデイズの経常利益は売上「316億円」に対して
わずか「4097万円」です。

つまり経常利益率は0.13%という自転車操業状態だったわけです。
これでは売上が少し下がるだけで致命的になります。

そんな中、スマートデイズは資金繰りが悪化し、
オーナー達へのサブリース家賃の支払い停止という事態に追い込まれます。

サブリース家賃の支払いが止まっても、
オーナー達の銀行に対する借金は残ります。

結果としては事件の顛末通り、自己破産に陥るオーナーが続出しました。

 

かぼちゃの馬車事件の問題とは?

ではこの一連の事件において何が問題だったのでしょうか?

まず、1つ目の問題は
「スマートデイズが無謀なプランを実行した」ということ。

ただでさえ自転車操業の状態だった経営状態で
これまで行ったことのない企画を実行するのは無茶でしかありません。

2つ目はスルガ銀行が「頭金なしで投資でき、30年間家賃収入を保証」
といったセールストークで売り込んだことでしょう。

そもそもサブリースにおいては本来、
発生するリスクを不動産会社が持つ事になります。

ではそのリスクを受ける不動産会社が機能しなくなればどうなるか?
当然そのリスクは自分でなんとかしなければならない上、
機能しなくなった不動産会社は維持でいっぱいとなり、
オーナーへ家賃を支払うことができなくなります。

スマートデイズが自転車操業状態だったのは前述の通り、
そんな状態で30年間の家賃収入保証なんてものが
机上の空論に過ぎないことは気づかなければならないことでした。

そして、3つ目は「投資家達が無知だった」ということ。

投資において何よりも重要なのは情報です。
特に今回はしっかりと調べることができる人であれば
回避することができる情報だってありました。

スマートデイズという会社そのもの、
スルガ銀行の謳い文句、シェアハウスの入居率などなど。

それら判断に足りうる情報があったはずなのに、
調べず甘い誘惑に乗ってしまったということ。

すなわち投資家の無知さが事件の一端を担っています。

かぼちゃの馬車事件から見る不動産投資のリスク

かぼちゃの馬車事件について解説を終えた所で、
不動産投資のリスクを考えていきましょう。

まず、何と言っても
投資金額が大きいということ。

かぼちゃの馬車事件では、
スルガ銀行が融資審査のためのデータを改竄していた為、
投資者は、本来、借りられるはずのない、身の丈に合わない
多額の借金をして投資をしていたことになります。

そして、サブリースの場合、
不動産経営に関する知識が無い投資家が
経営を不動産会社や管理会社へ完全に一任する形で
不動産に投資する為、経営内容の危うさに気づけない
というリスクがあります。

この2つのリスクが最悪の形で出てしまったのが
今回の事件と言えるでしょう。

総括

以上、不動産投資事件「かぼちゃの馬車事件」の解説と、
そこから学ぶ「不動産投資のリスク」について解説していきました。

投資にはリスクがつきまといます。
そして投資失敗の事件となる出来事には
大抵「甘い誘惑」と「投資家の無知」が関係してきます。

投資家の方々はくれぐれも事前の情報収集は
怠らないようにしましょう。

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